日経社説をはじめからていねいに

日本経済新聞朝刊の社説を要約し、そこに自らの考察を加えます。

重度の要介護者へ支援が行き渡るインセンティブを

この改定では介護保険の未来が危うい

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO26451490R00C18A2EA1000/

要約

4月に改定される介護報酬の総額は0.54%増が決まったが、一連の見直しはまだ甘く一層の改革が必要である。今回の見直しの柱は利用者の自立支援や重度化防止につながるサービスの後押しで、リハビリなどを重視した。だが今回の加算は僅かであるのに加え、介護費用の膨張を抑える策は不十分だ。真に必要な人に質の高いサービスを届けるために、公的保険のカバーする範囲の変更や国民負担の増加など、制度の根幹に切り込む改革が必要だ。

持論

ここで私が注目したいのは、今回の改正で明示された”心身機能の維持・改善で一定の成果をあげたデイサービスに報酬を加算する仕組み”についてです。

これには以前から指摘されているように、軽度の要介護者を優先的に受け入れて報酬の加算を目論む介護業者が出てくる恐れがあります。より介護を必要とする重度の要介護者にこそ手厚い介護を与えられるようにする、そのようなインセンティブが必要ではないでしょうか。

名門ゼロックス買収の教訓

https://www.nikkei.com/article/DGXKZO26451510R00C18A2EA1000/

要約

ゼロックス富士フィルムHDの傘下に入ることとなった。ゼロックスは近年、多角化の行き詰まりによって事業の新陳代謝に失敗して成長戦略を描き切れず、「モノ言う株主」の攻勢にも晒されていた。しかし、買収についてのゼロックス株主からの承認取り付け、日本側のゼロックスへの企業統治の徹底、同社の新たな成長戦略など、今後の課題も多い。ゼロックスの人材や技術を活かして新たな成長市場を切り開けるかどうかが問われる。